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OneSelf Project

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私たちが

自立をめざす

中学生たちと

一緒に〈清掃〉を

しつづける理由

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​横浜建物管理協同組合のワンセルフ・プロジェクトとは?

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ワンセルフ・プロジェクトは、横浜市で清掃業を営む29社から構成される「横浜建物管理協同組合」が、立ち上げた「障がい者支援のプロジェクト」です。

「明るい清掃、明るい障がい者雇用」をキーワードとして、2013年からこの活動を続けています。​​​

 

主な活動には次のようなものがあります。

・横浜市立中学校清掃の出前講座

・行政機関との意見交換(教育委員会・横浜市健康福祉局・各学校)

・よこはま動物園ズーラシア清掃の実習受入

・障がい者の雇用の働きやすい職場環境の研究・検証

・情報文化センター清掃の実習受入

■2013年から今まで、障がいを持つ横浜市立の中学生たちと清掃を続けてきました。

・一緒に清掃をした人数:2,854人(延数)

清掃の出前講座を始めてから約10 年。障がいを持った多くの中学生と清掃を通じて交わりを持ち続けています。

・訪問した中学校の数:53校

横浜市の特別支援学校、聾学校、横浜市立中学校の個別支援学級で、清掃の出前講座、ズーラシア、情報文化センター等の清掃校外実習を行っています。

​・訪問した回数:236回

ひとつひとつの小さな水滴が集まると、大きなかたちに変わっていきます。これからも、私たちは、まだまだ継続していきます。

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​私たちの理念

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■明るい清掃・明るい障がい者雇用を!

清掃業務に携わる我々が最も大切にしていることがあります。それは、「利用される方々に気持ち良く使っていただくこと」です。
市民が利用する行政施設や民間の事業所が、より快適で過ごしやすい環境であるよう
に。それを支える意識を持って、日々の仕事に励んでいます。
そんな仕事を通して、「綺麗だと気持ちが良いね!」「いつも清掃をしてくれてありがとう!」といったお声をいただくと、現場スタッフにはとても励みになりますし、彼らのモチベーションも大きくアップします。
現場スタッフのこういったモチベーションを管理することも、経営者にとっては非常に大切です。なぜなら、中小ビルメンテナンス業者は、人材に支えられている産業だからです。
横浜建物管理協同組合では、ビルメンテナンス業の役目を鑑みて、障がい者雇用とそ
の支援策を充実させる必要がある、と考えています。
「明るい清掃」を社会に提供しつつ、「明るい障がい者雇用」につなげる。これこそが、横浜建物管理協同組合の理念です。
雇用する現場の確保についても我々は積極的に働きかけ、価格競争のみである現状の「発注者・受注者」の関係ではなく、働き手までを含めた新しい仕組みもつくっていきます。
「新しい公共」-そのモデル的な仕組みとして、横浜建物管理協同組合は活動と発信を続けていきます。

■チャレンジドと共に成長する、私たち組合の新しいチャレンジ。
 ワンセルフ・プロジェクト。

ひとつひとつの小さな水滴(汗や涙、そして清掃の水)が集まると、流動し、川になり、海になる。
プロジェクトを通じ、この想いを横浜から全国へと拡げたい。
障がいをもつ人たちと共に成長し「大きな海」をつくって行きたい。
水滴に輝くヒカリは、チャレンジドと私たちの希望であり、新しいチャレンジの水先を照らし続ける明るいヒカリでもある。

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ワンセルフ・プロジェクト 活動のあゆみ

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■真の意味での「自立」を目指して。

■〈提案型共同事業〉の構築からスタート

ビルメンテナンス業界を取り巻く経済環境は、非常に厳しい。しかし、だからといって、この厳しい現状にただただ耐えているばかりではいけないと考えます。
そんな中、平成23年度、全国ビルメンテナンス協同組合連合会において、共同事業の新たな道へ向けたプロジェクトを立ち上げました。
厚生労働省の、生産性向上への取組みに対する助成事業を活用し、全国7ブロックから集まったビルメンテナンス組合およびビルメンテナンス企業の経営層により、まずは現状認識を共有。さらに、共同事業のあるべき姿や可能性などについて、様々な提案と意見交換を行いました。
その中から見えてきた、課題。そして、対応策。それが、「提案型共同事業の構築」であり、テーマとして「障がい者雇用支援」が挙げられました。

■若手経営者による〈プロジェクト型〉で実施

平成24年度、「障がい者雇用支援」をテーマとした共同事業の立ち上げとして、モデル的に「横浜建物管理協同組合」が手を挙げ、そして、ひとつのプロジェクトが生まれました。それが、Oneself Projectです。
このプロジェクトは、組合内の若手経営者6名と、中小企業支援機関である神奈川県中小企業団体中央会の1名による、計7名でスタート。
従来の組合活動にはかつて無かったほど、メンバーは機動的に動きました。プロジェクトを立ち上げた平成24年度のうちに、障がい者指導用の動画マニュアルを作成。さらに、組合受契施設における障がい者1名(県立高津養護学校 川崎北分教室在校生)の訓練を実施するに至りました。

■養護学校・個別支援学級での〈出前講座〉を開催

そして、平成25年度。Oneself Projectは次のステップへと向かいます。それは、県立鶴見養護学校での“出前講座” です。

学校まで組合員が出向き、生徒たちに実際の清掃業務を教え、体験してもらう。平成25年の秋に実施した“出前講座” で、清掃業務の難しさと楽しさを味わった生徒たちは、一様に充実した表情を浮かべていました。
これらの活動実績から、今後の展開に大きな可能性を見出したOneself Project。動画マニュアルはさらに編集と改良を重ね、現在、バージョン3へと改訂されています。
現在、横浜市立養護学校・横浜市立中学校 個別支援学級での“出前講座” を中心に、今後も、障がい者と社会をつなぐべく、横浜建物管理協同組合はさらにOneself Projectを進めていきます。
障がい者の方々とともに、真の意味での「自立」を目指します。

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ワンセルフ・プロジェクト 活動年表

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■【9年】続けていくこと。重ねていくこと。

2011.09 - ----------- 全国ビルメンテナンス協同組合連合会において

         「今。進むべき新たな道」プロジェクト立ちあげ
2011.11 - 2012.02 全国ビルメンテナンス協同組合連合会厚生労働省委託事業実施
2012.07 - 2013.02 全国ビルメンテナンス協同組合連合会厚生労働省委託事業実施
2012.06 - ----------- 大阪府・エルチャレンジ 視察
2012.09 - ----------- 「Oneself Project」立ち上げ(横浜建物管理協同組合内組織)
2012.12 - ----------- 横浜情報文化センターにて受け入れ実習開始

         日本理化学工業株式会社 視察
2013.07 - ----------- 全国ビルメンテナンス協同組合連合会代表者会議にて事例発表
2014.09 - ----------- よこはま動物園ズーラシアにて受け入れ実習開始
2015.02 - ----------- 全国中小企業団体中央会事例発表
2016.07 - 2018.07 ヨコハマヒューマン& テクノランド出展
2019.02 - ----------- 協同組合等算定特例認定(横浜建物管理協同組合)

■【53校】今まで一緒に清掃をした学校

【横浜市立】

港南台ひの特別支援学校/聾学校

個別支援学級
茅ケ崎中学 /西谷中学校 /岩崎中学校 /菅田中学校 /西金沢学園中学部 /釜利谷中
学校 /富岡中学校 /あかね台中学校 /洋光台第一中学校 /岡村中学校 /森中学校
/岩井原中学校 /老松中学校 /軽井沢中学校 /西中学校 /境木中学校 /保土ケ谷中
学校 /橘中学校 /鶴ケ峰中学校 /岡野中学校 /東野中学校 /旭中学校 /都岡中学
校 /下瀬谷中学校 /松本中学校 /笹下中学校 /南中学校 /東野中学校 /南が丘中
学校 /藤の木中学校 /瀬谷中学校 /十日市場中学校 /東鴨居中学校 /鴨居中学校
/六浦中学校 /錦台中学校 /生麦中学校 /中川中学校 /早渕中学校 /舞岡中学校
/上白根中学校 /宮田中学校 /希望が丘中学校 /仲尾台中学校 /青葉台中学校 /
日野南中学校

【神奈川県立】

鶴見養護学校/鶴見養護学校分教室/高津養護学校/高津養護学校分教室

【他県】

鹿児島県立鹿児島養護学校
( 順不同・2019年3月現在)

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企業、学校ともにこのプロジェクトから「気づき」を得た。

リーダー 千田泰寛の想い

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■「シロウト集団」からの始動

Oneself Projectのプロジェクトリーダー 千田泰寛氏。「本職」は、ビルメンテナンス企業の代表取締役だ。「元々、障がい者の方々の雇用を目的として今の会社をつくったわけではないんです。だから、障がい者に関する知識も情報も、何も持ち得ない。そんな中で、このプロジェクトは始まりました」そう話す千田氏は、障がい者をあたかもビジネスに利用するようなことをして良いものかどうか、そのジレンマに悩まされてきたという。
「それでも、何事もやってみることで、何らかのプラスにはなるだろうと思うようにしたんです」そうして、千田氏と同じく、障がい者に関してシロウトだらけのメンバーが集まる中、専門職や経験者を招き、レクチャーやアドバイスを受けるなどして、まずは障がい者について学んでいった。
その後、養護学校の生徒を対象にした研修が開催されることになり、そこで使用する動画マニュアルを作成することに。「作成期間は一ヶ月しかありませんでした(笑)。それでも、メンバーの誰もイヤな顔ひとつ見せず、全員でマニュアルの構成から撮影、照明、編集まで、連日夜遅くまで作業をしました」。そうして、研修当日ギリギリになって、ようやく動画マニュアルが完成したという。

​■おっかなびっくりの意識から……

研修をどうにか無事終えた後、次は鶴見養護学校での“出前講座” の実施が決定した。そこへ向けて動画マニュアルの改良など準備が進められていったが、実際に打合せなどで学校へ足を運ぶうち、不安も覚えるようになったという。
「専門家の方からレクチャーを受けるなどしていくら勉強を重ねても、結局ぼくらは“現場” を知らなかったんですね。実際に障害を抱える子たちを目の当たりにすると、接し方がわからず戸惑うことが多かったし、『この子たちに本当に教えられるのだろうか』という不安も覚えました」しかし、何度となく学校へ足を運ぶうちに、その考えは変わっていった。
「生徒さんたちには名札を付けてもらって、ぼくらから名前で呼ぶようにしたんです。同じようにぼくらも名札を付けるようにしたら、彼らも名前で呼んでくれるようになった。それがすごく嬉しかったんです」生徒たちと心を開き合い、接し合うことで、彼らの障害の種類から、それぞれの性格、個性まで、いろいろとわかるようになった、千田氏をはじめとするメンバーたち。最初のうちは「生徒が聞きに来ると不安」と思っていたのが、「寄ってきてくれないと寂しい」と思えるまでになったという。

■障がい者たちの殻をやぶるために

生徒と打ち解けられるようになったメンバーたちであったが、その分、厳しくもリアルな現状にも直面するようになる。「学校側による、生徒さんたちの就職に対する考え方。生徒さんたちと接してみてわかった、我々企業側の、生徒さんたちの就職に対する考え方。双方に隔たりがあったのは事実です」と話す千田氏。企業側の考え方の方が、よりシビアなもののようだ。
「でもね」と千田氏が続ける。「こうして、学校と民間企業が協力し合うことで、互いに“気づき” を得られたのもまた事実だと思うんです。単なるボランティア活動ではなく、より社会と障がい者とを結びつけるキッカケになれていると思う。これこそが、Oneself Projectの最大の意義ではないでしょうか」「障がい者をビジネスに利用していると思われるのではないか」という千田氏のジレンマは、今では解消されつつあるという。「養護学校の先生たちに、そういった考えが一切無かったんですね。むしろ、学校に民間企業が入り込むことで、何かひとつ殻をやぶれるのではないかと考えてくれている。今後も我々は、そのお手伝いをしていけたらと思います」障がい者に関するシロウト集団からスタートしたOneself Projectが、今、障がい者支援のプロとして、新たな道しるべになろうとしているのかもしれない。

 

千田泰寛

横浜建物管理協同組合 理事
ワンセルフ・プロジェクト リーダー
ビル管財株式会社 代表取締役

All photographs  Masaaki Miyara (Argyle design)